『SCE 「PS3」機能一部制限』
ゲーム業界がインターネット上にあふれる海賊版ソフトの対策強化に乗り出す。ソニー・コンピューターエンタテイメント(SCE)は家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)3」で、パソコンのように使える機能を制限する。任天堂も違法コピーを防ぐプログラムを組み込む。ソフトをネット経由で配信する事業拡大をにらみ、違法ソフトなどによる機会損失を抑える
2010/3/29 日経新聞 9面より
違法ソフトの氾濫は正規ソフトの販売に大きな影響を与えている。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(東京・文京)によると、海賊版などによるソフト会社の被害は「ニンテンドーDS」用だけでも世界で3000億円を超えるという。
ゲーム専門誌のエンターブレインによると、国内の2009年の家庭用ゲーム市場(ゲーム機・ソフトの合計)は前年比6.9%減の5426億円。多額の開発費用を回収する為にも海賊版対策の重要性が高まっている。
任天堂やソフト会社は正規のゲームソフトの内部に違法コピーを防ぐ特殊なプログラムを組み込む。
米マイクロソフトも家庭用ゲーム機「Xbox360」で不正にダウンロードされた海賊版ゲームを使用した場合、同社のネットワークに接続できない機能を導入した。
ソニーも近く、テレビやパソコン、携帯音楽プレイヤーなどに音楽や3Dコンテンツなどを配信する「ソニーオンラインサービス(仮称)」を始める。PS3向けのゲームもネット配信が主流になっていく見込み。ネット配信事業を新たな収入源に育てるに当たり、開発同時の理念である「家庭用スパーコンピューター」を目指すことよりも、ソフト流出防止を優先することにしている。
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